のれんの減損テスト

IAS第36号「資産の減損」では、のれん、耐用年数を確定できない無形資産および未だ使用可能でない無形資産については償却を行わないことから、減損の兆候の有無にかかわらず、減損テストを毎年実施しなければならないとしています(IAS第36号第10項)。

一方、日本基準においては、『原則として、のれんを含むより大きな単位で判断』し、のれんを含むより大きな単位で減損の兆候がある場合には、のれんにも減損の兆候があることとなり、『より大きな単位で減損損失を認識するかどうかの判定を行う』こととなっており、 損の兆候がない場合には、減損テストの実施を求められません。

IFRSにおける減損テストの目的は、回収可能価額が帳簿価額を下回るかを判定することです。IFRSでは、回収可能価額を、資産又は資金生成単位の「処分コスト控除後の公正価値」と「使用価値」のいずれか高い金額としています。

公正価値は「測定日時点で市場参加者間の秩序ある取引において資産を売却するために受け取るであろう価格又は負債を移転するために支払うであろう価格」と定義され、いわゆる市場価格を指します。

使用価値は「資産又は資金生成単位から生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値」と定義されます。

のれんの減損テストを実施する際の資金生成単位は通常、M&Aにより買収した子会社又は事業であり、減損テストにおいては子会社又は事業の評価が必要となります。毎期実施することとなるため、費用負担を考慮して、簡便的なフォーマットを用いて自社内で減損テストを行うこともありますが、一定程度の重要性がある場合は、買収時と同様に外部の評価機関の算定した株主資本価値・事業価値評価を参考とすることが望ましいものと考えられます。

Next D の価値評価サービス

のれんの減損テストに係るサービスでは、制度会計への適正な情報提供を目的として、主に株主資本価値・事業価値評価に関する下記の業務を提供しています。

  • 資金生成単位の使用価値としての株主資本・事業価値評価(バリュエーション)(詳細はこちら
  • 自社内で減損テストを実施するために利用するWACC(Weighted Average Cost of Capital)の参考情報提供

お気軽にお問い合わせください
☎電話でのお問い合わせ(平日9:00~18:00)
03-6550-9763
✉メールでのお問い合わせはここをクリック